立命館大学ゲーム研究センター 国際カンファレンス ‘From Preservation to Action’~保存から行動へ~

立命館大学にてゲーム展示の先進的な事例について検証する国際カンファレンスを

英国ナショナル・ビデオゲーム・ミュージアムと共に開催

立命館大学ゲーム研究センター(以下、RCGS)は、英国ナショナル・ビデオゲーム・ミュージアムと共に、5月31日立命館大学衣笠キャンパス内の創思館カンファレンスルームにて、「From Preservation to Action(保存から行動へ)」をテーマにゲーム展示の先進的な事例について検証する国際カンファレンスを開催します。

 英国からの事例としては、同国内のゲーム産業促進(教育上の役割を含む)のために2018年に設立された英国ゲーム協会公式のゲーム保存展示施設、英国ナショナル・ビデオゲーム・ミュージアムの設立までの経緯や現在推進している常設展示並びに特別展示について、日本からの事例としては、RCGSセンター長でファミコンの生みの親でもある上村雅之教授監修のもと2018年に実現した城陽市歴史民俗資料館による「平成30年度夏季特別展 CONTINUE~“ゲーム”90年の歴史~」に関し、大学側の企画担当も交えて実施の背景が語られます。

 さらにこれらの事例を踏まえ、現在企業として保存活動に取り組んでいるバンダイナムコスタジオの兵藤岳史氏を招き入れ、ゲーム展のこれからとゲーム及びその関連資料の保存の在り方に関するパネル・ディスカッションが行われます。

 平成から令和へと急速に進化するゲームというメディアに関する博物館などでの展示は今まさに始まったばかりです。そのような意味でもゲームファンはもちろん、博物館におけるニューメディアの展示について悩んでいる方や博物館学に関心がある方など幅広い方々を対象としておりますので、是非足をお運びください。

<イベント概要>名称:

「保存から行動へ:日英ゲーム展示の最前線~英国ナショナル・ビデオゲーム・ミュージアムと城陽市歴史民俗資料館の取組みから読み解くその可能性~」日時:

2019年5月31日(金) 14時~17時会場:

創思館カンファレンスルーム

※会場は以下の立命館大学衣笠キャンパス地図の30番です。

https://www.ritsumei.ac.jp/campusmap/kinugasa/
参加方法:当日どなたでも参加できます
主催:英国バーススパ大学 立命館大学ゲーム研究センター
お問合せ先:立命館大学ゲーム研究センター rcgs [ at ] st.ritsumei.ac.jp

概要:近年、ビデオゲームの社会における文化的貢献が認められるようになり、ゲーム産業創成期から現在までに生まれた人工物を歴史的な文化資産として保存する運動が活発化している。そのような中、アメリカや英国では比較的早期からゲーム関連の文化資産を博物館で展示し、国内外から協力者を得るようになってきた。また、国内においても昨今は各地で特別展示が進められ、多くの参加者を集めるようになっている。そこで、本カンファレンスではこれらの展示に関わった人々を招き「ゲーム保存活動」がどのような形で国際貢献を果たすことが出来るかについて探る。<カンファレンス登壇者>:

日本側:

 兵藤兵史(株式会社 バンダイナムコ研究所)

 寺農織苑(城陽市歴史民俗資料館学芸員)

 上村雅之(立命館大学 映像学部 客員教授/立命館大学 ゲーム研究センター長

 細井浩一 (立命館大学 映像学部 教授/ゲームアーカイブ・プロジェクト代表/立命館大学アート・リサーチセンター長)

 毛利仁美(立命館大学 文学研究科)

英国側:

 Iain Simons, Director, National Videogame Museum

 James Newman, Professor, Bath Spa University

<スケジュール詳細>

13:30    開場

14:00-14:50 講演①ナショナル・ビデオゲーム・ミュージアムの形成と展開

  Iain Simon Director National Videogame Museum 

  James Newman Professor, Bath Spa University

15:00-15:50  講演②夏季特別展 CONTINUE~“ゲーム”90年の歴史~の企画と運営

  寺農織苑(城陽歴史民俗資料館・学芸員)

  上村雅之(立命館大学・映像学部・教授/立命館大学ゲーム研究センター長)

  毛利仁美(立命館大学・文学研究科)

16:00 16:45 パネル・ディスカッション: 保存からアクションへ

  兵藤兵史(株式会社 バンダイナムコ研究所)他

  モデレータ 中村彰憲(立命館大学 映像学部 教授)

16:45-17:00 クロージング:細井浩一  (立命館大学 映像学部 教授)

<講演者プロフィール一覧>

上村雅之(うえむら まさゆき) 立命館大学ゲーム研究センター センター長および映像学部客員教授。1971年、任天堂株式会社入社。その後『カラーテレビゲーム6』、『カラーテレビゲーム15』、『ブロック崩し』などの初期テレビゲーム機の開発を担当。1981年、『ファミリーコンピュータ(ファミコン)』の開発責任者となり、国内で大ヒットしたのを契機に、海外向けファミコン『Nintendo Entertainment System(NES)』、および『スーパーファミコン』の開発責任者を務める。2004年、任天堂株式会社を退職と同時に任天堂株式会社開発アドバイザーおよび立命館大学大学院先端総合学術研究科特任教授に就任し、ビデオゲームの学術的研究に尽力する。城陽市で開催された平成に監修として携わった。

細井浩一(ほそいこういち)

立命館大学映像学部教授、日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN)前会長、立命館大学アート・リサーチセンター長。立命館大学においては、地域および産学公連携に立脚する新しい社会ビジネスモデルによるコンテンツ分野の活性化や、仮想空間を活用した文化研究環境の構築などを主として研究するが、特に立命館大学ゲーム研究センターにおいて取り組んでいるゲームアーカイブ・プロジェクトは、産学公連携によるゲームの包括的な社会的保存プロジェクトとして1990年代後半から継続している。近著に、『ファミコンとその時代』NTT出版(上村雅之・中村彰憲と共著)がある。

兵藤 岳史 (ひょうどう たけふみ) 

株式会社 バンダイナムコ研究所。 1983年株式会社ナムコ入社。ゲーム企画(『バトルシティー』『トイポップ』『さんまの名探偵』等)/人事部新卒採用/外注管理 (『テイルズオブファンタジア』等)/ローカライズ(『デッドトゥライツ』等)/海外事業(ローカライズ・開発・マーケティング・販売・計数管理)/USスタジオ運営。2016年よりオープンイノベーション関連業務。通常業務に加え、同社の開発関連資料のアーカイブ化にも中心的に携わる。2013年CEDECセッション『異文化理解-世界にうってでる時に知っておくべき事柄/人種、宗教、政治、セックス、暴力-』

寺農織苑(てらの しおん)

城陽市歴史民俗資料館学芸員。帝塚山大学大学院博士前期課程で屋根瓦の考古学を専攻。主な展示として、館蔵資料以外にも各地のコレクターの協力を得た「CONTINUE~“ゲーム”90年の歴史~」、また「自瓦自賛-瓦を解き明かす-」など。         

毛利仁美(もうり ひとみ)

立命館大学大学院文学研究科博士後期課程(文化情報学専修)在籍。専門はビデオゲーム資料の組織化(資料分類・主題アクセス)。欧米のビデオゲーム所蔵博物館の展示手法や資料組織化についての調査経験がある。上村教授によるアドバイスのもと「CONTINUE~“ゲーム”90年の歴史~」の企画に携わる。

James Newman (ジェームス・ニューマン)

英国バース・スパ大学教授。国立メディア博物館に設置された国立ビデオゲームアーカイブの共同創設者で英国ナショナル・ビデオゲーム・ミュージアムのキュレーター兼リサーチャー。また、デジタルメディア、ビデオゲーム、並びに遊戯文化を対象に、これまでRoutledge やBFIといった権威ある出版社から多数の書籍を刊行。代表的な書籍は、『 Videogames 改訂版』 『Playing with Videogames』、『A History of Videogame』等。ゲームアーカイブを取り上げた書籍に 『Best Before: videogames, supersession and obsolescence』がある。

Iain Simons (イアン・サイモンズ)

英国ゲーム協会、文化ディレクター。英国ナショナル・ビデオゲーム・ミュージアム共同設立者。2005年、ロンドンのサウスバンクセンターにて、英国においてはじめてとなるビデオゲームに関する祭典を主催。2006年からは英国ノッティンガムにて開催されるビデオゲームを中心としたアートフェスティバルGame Cityのディレクターに就任。これまで数多くのゲームメディアで執筆を重ねた。ジェームス・ニューマン教授との共著で『A History of Videogames,(Carltonbooks)』を執筆。